雑記帳

私、渋谷次郎が調べたことや考えたことを書き留めておくためのブログです。

福島県で計画中の小学生イベントに対照的な判断

新学期が始まり、桜も葉芽の緑が目立ち始めた。

小五となった我が家の愚息だが、昔は林間学校と呼んでいたような気がする「自然の教室」と、学童主催の夏キャンプという二つの行事が福島県内の宿泊施設を利用する計画がある。
どうなっちゃうのかな、そう思っていたのはおいらだけではあるまい。

この週末、小学校は計画通りの実施を伝えるお手紙を保護者に配布。学童は指導員と保護者から構成されるキャンプ係のミーティングを開き、開催地の変更を決定した。

小学校が配布した手紙には、開催地が南会津町と余震の震源地や原発からかなり離れて(直線距離で130〜140km)いることや、大気中の放射線量がさいたま市と「同程度」であること、南会津町では普段通りの生活が行われており、子どもたちの来訪を「歓迎する体制を整えている」こと、などの判断理由が列挙されていた。

他方、学童のキャンプについては、なにより、利用を予約している宿泊施設が現在避難所となっており、利用の可否に不透明感があることが重視され、迅速に代替施設を探す動きがとられていた。また、開催地がより東南東に峠を越えた中通りの南部地区。福島県の発表している白河市の観測値を見ても、余震や原発事故についてのリスクが「さいたま市と同程度」と表現するのは難しい。

キャンプ係の会合でもそうだったが、子どもの健康と安全を守りたいという願いと、被災地の方々を応援しマイナスになるような対応をしたくないという思い、そして確実な実施を目指したいという主催者なら当たり前の思いが、きっ抗しながらの判断になったのだと思う。二つの判断は、それぞれの事情に相違もあるが、ともかくも分かれた。

学校が配布したお手紙の「計画通りの実施」に趣旨にたてつくものではないが、一言感想として書いておきたいのは、誰も今後の余震や原発の動向がはっきりとは分からない中で、どんな場合には中止や中止することを検討するのかのラインだけは持っておいた方がいいのではないか。

たとえば、大気放射線量の測定値がさいたまの2倍あるいは1マイクロシーベルト毎時に達した場合とか、再度排気をするとかそれ以上の放射性物質の排出があったときなど事故のあった原発の動向に変化があった場合など、再検討がありうる旨を主催者は公言しておくべきではないだろうかと思ったりするのだが、いかが?

▼お手紙に掲載されていた測定値を比較する表


▼上記の表の元になったと思われる観測データ
さいたま市の観測データ
東京都(新宿)観測データ
福島県の観測データ

PS.福島県の公表データを見ながら、中通りと南会津の数値の差がかなりあるなという感想を抱きましたん。

PS2.例によって単位の理解に苦しむ。0.08マイクロシーベルト毎時を年換算すると、約0.7ミリシーベルトだから、自然放射線量の約半年分が上増しとなるわけか、、、と思ったりもする。
(0.08μsv/h × 24時 × 365日 = 700.8μsv = 0.70msv)

<<5/7にコメントを受けて追加>>
いやちがう。上の計算結果の0.7msvは、事故により加わった上増しでなくて、自然放射線量も含めた総量のはず。あれ〜。どうなってんだ。学校の配布したプリントを素直に理解すれば、現状は自然放射線量以下という説明が展開されているのかな。大変不可思議なことよ。


健康への影響が良く分かってないので、その差が大きいのかどうか実のところよくわからないが…。