雑記帳

私、渋谷次郎が調べたことや考えたことを書き留めておくためのブログです。

新園増設のペースダウンが再び入園承諾率を悪化させること

保育園の新設・増設を止めたら、せっかく少しマシになっていた入園承諾率が再び、しかもあっという間に悪化するという予測、…いや、すでに始まっているのでここに報告します。

東京だけなくさいたま市でもどこかのだれかが、数年で保育園不足を解消すると約束してからその数年が過ぎたはず。もちろんそんな軽すぎる約束を当初から信じていたわけではないけれども、やはり新しい保育園を作り続けなくちゃなりません。

グラフ■1歳児の承諾率と定員増(さいたま市,2014-2019)

1歳児の承諾率と定員増(さいたま市,2014-2019)

 

さいたま市の承諾率が一時的に改善されたのは、域内の保育園の定員の総数が十分になったからではなく、いわゆる新設園の「初年度効果」によるところが大だったのです。

この「初年度効果」とは、初年度は「定員=募集人数」となる新設園が、エリア内の入園状況に大きな影響をあたえることを指します。くどいようですが、新設園が地域の募集状況に大きな影響を与えるのは初年度のみです。2年目からはすでに在園している児童を引き続き保育することになりますから、新規募集は定員の6分の1程度。最小学年(たいていゼロ歳児)を除けば募集人数は数人にとどまります。

ようするに、さいたま市では、新設園をしばらくは作り続けないと、入園状況を再び悪化させることになるということです。新設園がさらに減少する来春の入園承諾率は悪化するでしょう。それは無償化のせいだと言われることになるのでしょうが、慎重に数字を読んでから発言したほうが良さそうです。自戒を込めて。

PS. 新設園の「初年度効果」については、かつて詳しく書いたことがあります。時間のあるときに次の記事をお読みください。

さいたま市の750人定員増は、1歳児の募集園児数を35人しか増やさない!? (2012.2.15)当ブログ内