雑記帳

私、渋谷次郎が調べたことや考えたことを書き留めておくためのブログです。

講演会「放射能と保育園」に参加してみました

いわゆる放射能汚染と保育についての講演会(?)が、先日23日(土)に中央区であったので出席してみました。私なりの率直な感想を言えば、いろいろな保育園でこの問題がどんな切り口から語られて来たかを知るにはいい機会だったけど、とくに様々な指向の方々が集まるローカルな場で、各人が意義を見いだせる集まりの難しさを感じたことだったかな。
なお、講師役の方々は、どこか理科や科学の学校の先生といった趣。保育園や保育園の先生方を集めて、こうしたお話を繰り返してきた方々でした。

お話の内容は、大きく分けて三つ、1)3.11以降の福島の状況の解説と、2)放射性物質を原子や原子構造といった化学的なとこからの基本的な解説。そして、講師の方々がお話を重ねてきた群馬や埼玉のような首都圏のいわゆるホットスポットと言われるようなエリアではないという前提があったような気がしますが、3)保育園や保育で心配になるところや対処方といったところでしょうか。

まず、1)の事故についての解説の部分ですが、3か月が経ってようやくではありますが、かなり詳しいところまでメディア等でも情報が出ていています。事故直後のほとんど肝心な情報が出てこず、推測を含めた専門家による状況把握が有意義だった時期とちがって、どこまで話すべきかが良く分からなくなっていますし、こうした情報の読み込み加減によって参加者のニーズもちがってくるでしょう。こうした話をごくローカルな集まりでどのように語りうるのか、難しさを感じました。CNICあたりが、USTREAMで公開したような技術者の話を貴重と感じ、じっくり耳を傾けることができた事故直後とはちょっと状況が変わっているなという思いを強くしました。

2)のところは、原子力放射性物質に関する基本的な知識です。これも高校性レベルの化学の知識を解説するものでした。元先生だった講師の方の得意分野なのでしょう。ローカルな舞台では、前提となる知識の普及こそレベルアップに必要でしょう。ただ、こうしたことをご存じでない方がこの日の話を聞くとどのような感想を持たれるのかちょっとわからないところがあります。どうなのでしょう。すでにこの手の知識を持ち合わせている人にとっては、冗長な印象が避けられなかったでしょう。

3)の心配になるところですが、泥団子をはじめとする泥遊び、菜園作り、これから本番になる水遊びが取り上げられていました。すでに保育園通いから遠ざかって久しいところがある私にとっては、どんなところが心配されるのか、そこがもっとも知りたいところでした。そのあとの質疑応答のやりとりも含め、この部分は大変参考になりました。(このコメントを見ていただいている方々はからするとふがいないのかも知れませんが、それが現実!)

お話の底流にあったのは、「子どもの成長にはそれぞれ不可欠な活動であるが、不要な汚染は避けリスクを下げよう」という考え方で、それは随所で繰り返し語られていました。このエリアにある放射性物質の大半が水溶性なので、大気とともに水の流れに気を配りながら、できれば計測も入れて状況把握。食べ物については、やはりこれぞという有効な手立てというより、水で落とすということや、基本的な動作を重視しようということであったと思います。なお、特定の食品素材や特定の産地にこだわることがリスクだという言い方は初めて耳にしたかな。

なお、会場には、さいたま市私立保育園協会の方が来られていて、6月23日に市に対し、空間の放射線量を測定する機材の貸し出しと土壌汚染の調査を求める申し入れを行ったという報告もありました。また、9月10日午後(13時半〜)に市民会館浦和で、福島県双葉町の保育園の関係者を招いた講演会の計画があるそうです。

PS,以上、6月27日にいただいた参加者である「さいたまのお母さん」のコメントにもかみ合うように報告を書いてみたつもりです。私も同様の思いを抱かないわけではありませんが、ではさいたまローカルでどのような取り組みが必要で、保護者をつないだどんな取り組みが展開できるのかを中心に考えてみたいというところが、私の関心事であることも斟酌しながらご理解願います。(あれ、PCブラウザ表示で右側にでるコメントリストだと6/11付けになっているなぁ。なんでだろう?)