雑記帳

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さいたま市が認可保育所を752人増:最低7年は続けましょう:不承諾数から考えた

 注1)投稿段階において計算間違いがあったので赤字で訂正しています。タイトルも訂正してあります。謹んでお詫び申し上げます。

2月4日の朝刊各紙で伝えられているようにさいたま市の来年度予算案の発表があった。
 いまだ子細を調べてはいないが、認可保育園を752人分増やすとのこと(朝日新聞埼玉版)。政令市の中にはもっと急激な増員を図っているところもあるが、市長交代後に策定された中期計画の「待機児童ゼロプロジェクト」にあった毎年400人増をかなり上回る。それなりの数字だと感じた。
 そこで今回は、手元にある認可園の不承諾通知数の数値を使いながら、752人定員増の意味合いを考えてみることにしたい。この数値は、最近入手したもの。平成20年から平成22年とやや古いものの、大まかに考えるには使えないわけではないだろう。

 まずは、年齢別の不承諾数の推移をグラフ化してみる。保育園への入園を目指す子育て世帯からすれば、全年齢をまとめた数値というのはあまり参考にならない。そこで、横軸に年齢(=学年)をとってみた。グラフの横軸は時間的な推移ではないので、見方には慣れが必要かもしれない。しかし、しかし、この方が保育園不足の実情が良く見えるだろう。
 折れ線は、一本一本が各年度の実績を示している。1歳児を頂点とした山がたになるのは、育児休暇から復帰することもあり、このタイミングで入園しようとするケースが多く、不承諾数のボリュームも1歳児が多くなっているから。次いで、多いのは2歳児。子どもが大きくなると不承諾数も減っていく。子育て世帯が保育園探しに奔走するのはやはり子どもが1〜2歳になるころである。
 年ごとの変化は、折れ線グラフが上に上がるか下に下がるかでとらえられる。上に上がるほどその年の不承諾数が多く状況は悪化。下に下がれば不承諾数が減って改善が見られたということになるわけだ。
 平成21年よりも21年と22年の折れ線は上に上昇。状況が悪化していたことが分かる。

 平成22年にも市内の認可園では、279人の定員増があった。さて、その効果はどうだったのか。279人の定員増をこのグラフに置いてみたのが、次のグラフである。4園が新設され279人分の定員が増加したといっても、年齢別にみると、約700人を不承諾にしている1歳児でも、たった39人分しかならない。これでは、効果薄である。

 では、750人分の定員増となるとどうだろう。仮に22年度の増員分と同じ割合でこの定員を割り振ってグラフに加えると次のようになる。
 一番下の薄い赤色の折れ線の上にある、やや濃い赤の折れ線であるが、まだまだ下の方だなという感は否めない。
 750人増を毎年繰り返したとして、問題の1歳児の不承諾数である700人を超えるのは5年7年*1後となる。上の方の赤い線がこれだが、もし入園希望者数が増えないと仮定するとではあるが、これくらいやればだいぶ状況は変わってきそうな気がする。
 まずは、750人増の5年7年*1間継続を願いたい。

 今日はこれくらいにして、もう少し定員増の効果については詳しく考えてみたいと思う。




大好評…、であろうがなかろうがしばらく続けます!
◆連続シリーズ:保育園定員増の効果はどのくらい?
(3)さいたま市の750人定員増は、1歳児の募集園児数を35人しか増やさない!?(2012-02-15)
(2)待機児童の年齢別の状況は、さいたま市内でも各区でかなりちがうね。(2012-02-08)
(1)さいたま市が認可保育所を752人増:最低7年は続けましょう:不承諾数から考えた(2012-02-05)