雑記帳

私、渋谷次郎が調べたことや考えたことを書き留めておくためのブログです。

待機児童の年齢別の状況は、さいたま市内でも各区でかなりちがうね。

前回は、さいたま市内の不承諾数を使って、保育園の定員増の効果をグラフ化してみた。今回は、区単位のグラフを紹介したい。全市単位で見たときには「1歳児の不承諾数が多い」(=「2歳児以上は不承諾数は減少していく」)というようなことを、さもアタリマエのようにいい切ったのだが、ことはそれほどシンプルな話ではないからだ。以下 a 〜 c、 3つのグループに分けてみよう。

a. 1歳児頂点型:中央区、南区、浦和区
 不承諾数を区単位で見ると、すっきりとした「1歳児頂点型」のグラフになるのは中央区と南区、それに浦和区の3区ぐらいのものなのである。意外と少ない。



 とはいえ、この3区は不承諾の数が他の区よりも多くなっているため、全市の統計に占めるウエイトは高い。なので全市のグラフはこの3区のグラフに似たものになる。

b.1-2歳カルデラ型:北区、見沼区
 1歳児だけでなく、2歳児の不承諾数も多くなっている区は少なくない。なかでも北区は2学年がほぼ同数になっている。グラフは山頂が吹き飛んでしまったかのような形になる。見沼区も雰囲気はよく似ているが、よく見るとH22年は2歳児を頂点にした山型になっており、H20年は全市の標準型と、毎年かたちを変えている。成長とともに減少していくさまも、やや緩やかな感じだ。ここいらは、定員増との関係によるものなのかもしれない。




c.2歳児頂点型:大宮区
 大宮区は、2歳児の不承諾数が1歳児よりも多い。3年連続でこの形を保っている。


 どうしてこんな風に違うんだろうかという仮説を立ててみたいのだけど、おそらく女性の働き方や復帰の仕方の違いと関係しているのだと思う。タイプbの北区や見沼区は、大宮駅の東と北にあるエリアで、東京へ通勤している女性の割合は、南区や中央区に比べるとかなり少なくなるかとは思う。職場復帰や再就職のタイミングが違っているのだろう。大宮区についても、仮説を思いついた方には、ぜひ教えていただきたいものだ。
 
区によって、こんなちがいもあるということが分かったのもう少し続けてみたい。



大好評…、であろうがなかろうがしばらく続けます!
◆連続シリーズ:保育園定員増の効果はどのくらい?
(3)さいたま市の750人定員増は、1歳児の募集園児数を35人しか増やさない!?(2012-02-15)
(2)待機児童の年齢別の状況は、さいたま市内でも各区でかなりちがうね。(2012-02-08)
(1)さいたま市が認可保育所を752人増:最低7年は続けましょう:不承諾数から考えた(2012-02-05)