雑記帳

私、渋谷次郎が調べたことや考えたことを書き留めておくためのブログです。

さいたま市が「学童保育の在り方(案)」を示しパブコメ。意見募集は10月末まで。公立の保育料値上げへの地ならし?

さいたま市は10月3日、公式サイトに「学童保育の在り方」の案を公表し広く市民の意見を募集しています。

いわゆるパブリックコメントという制度に則った形になっているけど、ということは、趣旨から外れたものでもないかぎり、寄せられた意見の概要と市の回答が後日公表されることになります。一部の修正意見が反映される可能性もあるわけです。ブログやツイートも結構ですが、こういった機会もぜひ利用して、子育て世代の声をぶつけてみたいものです。意見募集の締切は10月31日(月)まで。
 → パブコメのページ

とはいえ、なんだか無機質な印象で「なにがなんだか…」という方も少なくないと思うので、あくまで私見なんだけど、少しだけ背景みたいなところをご紹介しておきましょう。

■公立学童の保育料を倍増・月額8千500円に
さて、子育て世代から見て今回の文案でビビッと来るところはどんなところか?
まず、「公立学童の保育料の値上げするぞ!」ってとこ。現在は毎月4千円の公立学童の保育料を「8千500円にしてもいいよね」って書いてあります。倍増ですね。どうしてかっていうと「国の示している基準が経費の1/2で、じっさい1万7千円かかってるんだもん」とか、「民間の学童の保育料が1万円を超えていますね」だからとか。

保育料については、公立学童が比較的たくさんある旧与野地区、結構たくさんある旧浦和地区、そしてほとんどない旧大宮エリアとでかなりの感覚差がある。合併後に増えたのは民間学童だけだから、増えるニーズを吸収し支えてきたのは民間学童。そしてその大半は保護者らが集まって設置・運営しているものだ。合併後、市はそうした民間学童の財政を支援するところから学童保育の整備に着手したのであり、公立学童は増やさずほとんどそのまま手を付けてきませんでした。

確かに市の財政支援によって民間学童は保育料を引き下げることができたのですが、まだまだ月額1〜2万円を保護者が負担しているという状況です。公立と民間の保育料格差を失くすと言えば聞こえはいいけど、それが公立学童の値上げという方法しかないのかどうかは、もっと議論されていいんじゃない?

■学校内に施設があるのが最も望ましい
じつは、おいらは「学童保育は学校内に」という考え方をよろしく思っていません。むしろ、本来的には「児童を早く校門から出す」ことが基本だと思っています…。

そんな個人的なこだわりはともかく、児童が自分の足で学童まで行かなくてはならないというのが学童の基本的な性質だということがあって、低学年の安全の確保や指導員の負担軽減という面でも大きな意味があるのはまちがいありません。学校内にという声は保護者の間でも基本トーンになっています。

これまでを振り返ると、いったん学校内に施設を設ける動きがかなり広がっていたのだけど、校舎以外に施設を建設する方式が、防災基準だかなんだかの改訂に伴いほぼできなくなり、やはり空き教室の利用をいうところに戻ってしまったというようなことでしょう。ただ、ナンテンとなるのは、待機の多いエリアの小学校は児童数が減っておらず、そもそも空き教室がありませんということ。

かの市長も「私もかつて学童の場所探しをしてみたことがあり、なかなか見つからずたいへんなんですよね」という趣旨の話をどこかでしていたような気がしますが、そういうところを解決する策としては、「空き教室の活用」では全く迫力不足じゃないでしょうか?

■公立と民間の位置づけを!
どうもへんだなと感じることがいくつかあって、それはどこらへんから来るのだろうと思えば、待機児童対策を担うのは民間学童だとしつつ、公立学童との位置づけについては何も触れていないこと。

現状としては、公立でカバーできない部分を全部民間におっかぶして、「高い保育料を払う覚悟があるなら民間学童があります」とやっているだけじゃないかと思われても仕方ない状況だけど、「経済負担はあまりできないけど優先しなきゃいけない」部分も含めてどうやってカバーするのがいいのかという議論がもっと必要だと感じませんか?

■小学校との連絡関係を密に
3.11の後で、保護者の帰宅がままならくなるようなあのクラスの災害時には保護者の引取りができるまで小学校に児童を保護する方針が確認されたと思うんだけど、そうしたときには、学童が小学校長の指揮下に入って一体となるようなことがあっても良いように思いませんか?

校庭や体育館など学校施設の利用や、一斉下校、引取り下校(とその訓練)、学級閉鎖のときの対応など、学童と学校間の調整が必要なシーンは少なくないし、じっさいなにがしかの連携は行われているが、そこらへんのことを整理したり、調整方法を明記するなどのことがあってもよいのではなかろうか。学校や教育委員会との関係について、円滑な調整が望まれるのは施設面だけじゃないよということで、、、。

■どんどん意見を
まあ、月末までもう少し時間があることだし、自分の体験や預けている学童の実情なども交えながら、こんな項目を作ってよとかここを変更してとか、どんどん意見しましょうということで、今日のところは。